工場勤務の給料は安い?平均年収と、給料を見るときの5つのポイント|年収230〜240万円だった俺が解説

「工場勤務って、やっぱり給料が安いのかな」

毎月の給与明細を見ながら、こんなふうに思ったことはないでしょうか。

俺自身、18歳のときに工場の正社員として働き、その後は工場派遣も経験しました。当時の年収は、正社員のころが約240万円、派遣のころが約230万円です。

だから、給料が低いと感じながら工場で働く気持ちは分かります。

ただ、今振り返ると「年収がいくらか」だけを見ていても、その仕事の条件が本当にいいのかは分かりません。

基本給はいくらなのか。夜勤や残業をしなかったらいくらになるのか。賞与はあるのか。数年後に昇給や昇格できそうなのか。そして、その給料を得るためにどれだけの時間を仕事に使っているのか。

この記事では、公的な賃金データと俺自身の工場勤務経験をもとに、工場勤務の給料が本当に安いのかを判断するときに見るべきポイントを整理します。

目次

工場勤務の給料は本当に安い?

最初に結論を言うと、「工場勤務だから給料が安い」と一括りにはできません。

同じ工場勤務でも、仕事内容、会社、雇用形態、夜勤の有無、残業時間、賞与などによって収入は大きく変わるからです。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、「工場労務作業員」の全国の年収は353.6万円、平均年齢は50.3歳となっています。また、令和7年度のハローワーク求人統計では、求人賃金の全国平均は月22.6万円です。

ただし、ここで注意したいのは、この353.6万円を「工場勤務者全員の平均年収」と考えないことです。

job tagの「工場労務作業員」は、原材料や商品の搬入・搬出、工場内の清掃、廃棄物の分別、機械への材料投入、検査などを行う職業として掲載されています。つまり、製造業で働くすべての人を一つにまとめた数字ではありません。

ネットで「工場の平均年収」がバラバラになる理由

工場勤務の給料を調べると、サイトによって平均年収がかなり違うことがあります。

これは「工場勤務」という言葉の範囲が広いからです。

製造業という産業全体を見るのか、生産工程の仕事だけを見るのか、工場労務作業員を見るのか。さらに正社員だけなのか、派遣や契約社員を含めるのかでも数字は変わります。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査も、賃金を雇用形態、就業形態、職種、年齢、勤続年数などに分けて調査しています。

そのため、

「平均年収が350万円だから、年収300万円の自分は安い」

と平均値だけで判断するのは少し危険です。

自分と近い仕事内容、年齢、地域、雇用形態、勤務体系の求人や給与と比較した方が、今の条件が高いのか安いのかを判断しやすくなります。

工場の給料を見るなら「年収」だけでは足りない

俺も若いころは、仕事を選ぶときに「月いくらもらえるか」「年収はいくらか」をかなり気にしていました。

もちろん給料は重要です。生活する以上、軽視できるものではありません。

ただ、工場で正社員と派遣の両方を経験した今なら、給料を見るときは少なくとも次の5つを分けて確認します。

基本給はいくらなのか

最初に見るのは基本給です。

求人票に「月収30万円可能」と書かれていても、それが基本給30万円とは限りません。

基本給に夜勤手当、残業代、休日出勤などが加わって月30万円になる仕事と、通常勤務の基本給が30万円の仕事では条件がかなり違います。

実際、厚生労働省の賃金構造基本統計調査では「所定内給与額」と「超過労働給与額」を分けています。所定内給与額は、きまって支給する現金給与額から、時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、交替手当などを差し引いた金額です。

求人を見るときも、総額だけではなく「通常どおり働いた場合にいくらなのか」を確認した方が実態をつかみやすくなります。

夜勤や残業をしなくても生活できる金額か

工場の求人では、夜勤や残業によって収入が上がることがあります。

それ自体が悪いわけではありません。夜勤が合っていて、収入を増やしたい人にはメリットになる場合もあります。

ただし、夜勤や残業をしないと希望する収入にならない仕事なのかは確認した方がいいです。

俺が21歳ごろに工場派遣で働いていたときも、年収は約230万円でしたが、この金額には夜勤手当や残業代も含まれていました。

つまり、「約230万円もらえていた」という総額だけを見るのではなく、そこにどれだけ夜勤や残業による上乗せが入っていたのかまで考えないと、条件の良し悪しは分かりません。

夜勤そのものがつらいと感じている場合は、工場の夜勤がきつい・辞めたい人への記事で、日勤へ変える場合と転職する場合を分けて考えています。

賞与がいくら、年何回あるのか

月給だけでなく、賞与も年間収入に影響します。

俺が18歳で工場正社員として働いていたころは、当時の記憶では年収約240万円、手取りは月18万円ほどで、賞与は1か月分が年1回でした。金額はいずれも当時の記憶に基づく概算ですが、俺自身は「正社員になれば給料面で安心」とは感じていませんでした。

月給だけを見るとそこまで悪く感じなくても、賞与が少なければ年間で見ると収入は伸びにくくなります。

逆に、基本給が同程度でも賞与が安定して出る会社なら、年間では大きな差になることがあります。

そのため求人を比較するときは、「月給○万円」だけでなく、前年の賞与実績や支給回数まで確認した方がいいです。

昇給・昇格できる道があるのか

俺が工場で働いていたときに不安だったのは、今の給料だけではありませんでした。

この先、給料が上がっていくイメージを持てなかったことも大きかったです。

職場にはすでに上司がいて、自分がその先に昇格していく姿をあまり想像できませんでした。

もちろん、会社によって昇格制度やポジションは違います。ただ、20代前半では「今月いくらもらえるか」だけを見ていた俺も、今なら「3年後、5年後にどう給料が上がっていくのか」を確認します。

昇給制度が書いてあるだけでなく、実際にどのくらい昇給している人がいるのか。班長やリーダー、管理職など上のポジションがあるのか。その役割に就けば収入はどの程度変わるのか。

今の月収が少し高くても、何年働いてもほとんど変わらないのであれば、長い目で見た印象は変わります。

拘束時間まで含めて考える

これは、若いころの俺があまり見ていなかった部分です。

当時はどうしても「給料が高い仕事の方がいい」と考えていました。

でも今なら、給料と一緒にその金額を得るために何時間使っているのかも見ます。

たとえば月収が2万円高くても、毎月かなり残業が増えるのであれば、その2万円だけで「条件がいい」とは判断できません。

夜勤、残業、休日出勤、通勤時間なども含めれば、仕事に使っている時間は人によって大きく変わります。

当たり前に聞こえることですが、求人を探していると給料の数字が一番目立つので、意外と見落としやすいところです。

夜勤や残業があると給料が高く見えやすい理由

夜勤や残業をすると給料が増えるのには、法律上の理由があります。

厚生労働省によると、法定労働時間を超える時間外労働には25%以上、午後10時から午前5時までの深夜労働には25%以上、法定休日の労働には35%以上の割増賃金が必要です。また、法定時間外労働と深夜労働が重なれば50%以上の割増になります。

そのため、同じ基本給でも夜勤や残業が多い人の方が月の総支給額は高くなりやすくなります。

ここで区別したいのは、

「給料の高い会社」なのか、
「長い時間・特殊な時間帯に働くことで給料が増えている」のか

という違いです。

もちろん夜勤や残業を希望して収入を増やす働き方も一つの選択肢です。

ただ、自分が「給料が安い」と感じているなら、給与明細を見て、基本給と手当を一度分けて考えてみると原因が分かりやすくなります。

俺が工場で年収230〜240万円だったころに感じていたこと

俺は18歳のころに工場正社員として働き、その後21歳ごろには工場派遣も経験しました。

正社員時代の年収は約240万円、派遣時代は約230万円です。

どちらも当時の記憶をもとにした概算なので、この数字を工場勤務者全体の基準にするつもりはありません。

ただ、俺自身が工場で働いていたころに感じていたのは、単純に「今月の給料が少ない」ということだけではありませんでした。

手取りだけでなく、将来も見えにくかった

正社員時代は、手取りが月18万円ほどだった記憶があります。

若かったこともあり、まず気になったのは手取りでした。ただ、働き続けるうちに「このまま何年働けば、どのくらい給料が上がるんだろう」と考えるようになりました。

上のポジションにはすでに人がいて、自分が昇格していく道を具体的に想像できなかったこともあります。

俺が工場を離れることを考えた背景には、給料だけでなく将来の見えなさもありました。

だから今なら、求人票の初任給だけでなく「その後どうなるのか」まで見ると思います。

夜勤や残業込みの年収だけで比べない方がいい

派遣工場では夜勤もあり、残業代や夜勤手当を含めて年収約230万円でした。

この経験からも、「夜勤のある工場なら稼げる」と単純には考えないようになりました。

重要なのは、夜勤があるかどうかではなく、基本となる賃金はいくらで、どのくらい働いた結果としてその年収になっているのかです。

工場によって条件は大きく違うので、年収だけを横に並べるより、給与の内訳まで比べた方が自分に合う仕事を選びやすくなります。

自分の工場の給料が安いか判断する方法

「結局、自分の給料は安いのか」と思ったら、平均年収だけと比べるのではなく、自分の給与条件を一度分解してみるのがおすすめです。

まず給与明細で、基本給と残業代、夜勤手当、その他の手当を分けて確認します。そのうえで賞与が年間いくらあるのか、ここ数年で昇給しているのか、今後昇格できるポジションがあるのかを見ます。

次に、同じ地域・似た仕事内容の求人を確認します。

このときも「月収例」だけではなく、基本給、勤務時間、夜勤の回数、想定残業時間、年間休日、賞与などを同じ条件で比較します。

たとえば今より月3万円高い求人があっても、その3万円が毎月の残業を前提にしているなら、単純に「転職すれば3万円上がる」とは言えません。

反対に、基本給が上がり、残業が減り、休日も増えるのであれば、月給の差以上に働きやすくなる可能性もあります。

給料と働き方をセットで比較する。

これが、今の俺なら最初にやることです。

工場の給料が低いと感じたときの4つの考え方

給料に不満があるからといって、すぐ工場を辞める必要があるとは限りません。

最初に考えたいのは、「何を変えれば不満が解消するのか」です。

今の会社で昇給や昇格を狙えるか確認する

仕事内容や人間関係には大きな不満がなく、給料だけが気になるなら、まず今の会社に収入が上がる道があるか確認する価値があります。

資格手当、職務手当、リーダー職、設備操作など、役割が変わることで給料が上がる会社もあります。

逆に、何年働いてもほとんど条件が変わらず、自分が目指せるポジションも見えないのであれば、それも今後を考える材料になります。

同じ工場系で条件のいい会社を探す

工場の仕事そのものが嫌いなわけではないなら、業界を変えずに会社を変える方法もあります。

同じような仕事内容でも、基本給、賞与、年間休日、夜勤の有無などは会社によって違います。

「工場勤務が合わない」のではなく「今の会社の条件が合わない」のであれば、別の工場へ移るだけで不満が減る可能性があります。

工場そのものが合っているか分からない場合は、工場勤務が向いてないと感じたらの記事で、仕事内容・勤務体系・給料・雇用形態・会社のどこが合っていないのかを分けて考えています。

雇用形態や勤務体系を変える

正社員、派遣、契約社員では、同じ工場でも条件が違います。

また、夜勤ありから日勤のみへ変われば収入が下がる可能性がある一方、生活時間や拘束時間は変わります。

ここでも「どちらが得か」ではなく、自分が何を優先するのかで判断することが大切です。

給料だけを最大化することと、自分が無理なく続けられる働き方を選ぶことは、必ずしも同じではありません。

工場以外の仕事も比較する

給料だけでなく、仕事内容や将来性にも不満があるなら、工場以外まで選択肢を広げる方法もあります。

俺自身も工場以外の仕事をいくつか経験してきました。

だからといって「工場を辞めれば給料が上がる」とは言えません。転職先によっては下がる可能性もあります。

重要なのは、現在の条件と次の仕事の条件を具体的に比べることです。

工場からどんな仕事へ移れるのかを先に確認したい場合は、工場からの転職先|自分に合う選び方と6つのパターンで選択肢を整理しています。

給料だけが不満なのか、工場そのものが合わないのかを分ける

「給料が安いから辞めたい」と思っていても、話を整理すると別の不満が出てくることがあります。

夜勤がつらいのか。単純作業が合わないのか。昇給の見込みがないのか。今の会社だけが嫌なのか。それとも工場という働き方そのものを変えたいのか。

ここを分けずに転職すると、次の職場でも同じ不満を抱える可能性があります。

給料以外も含めて「もう工場を辞めたい」と感じているなら、工場を辞めたいと感じたらの記事で、辞める前に整理しておきたいことをまとめています。

まとめ|工場の給料は「年収の数字」だけで判断しない

工場勤務の給料が安いかどうかは、平均年収と比べるだけでは判断できません。

厚生労働省のjob tagでは「工場労務作業員」の全国年収は353.6万円ですが、これは工場で働くすべての人を表した数字ではありません。仕事内容や雇用形態、地域、夜勤、残業、賞与などで実際の収入は変わります。

俺自身、工場正社員では年収約240万円、工場派遣では夜勤や残業代込みで約230万円だった時期があります。

若いころはどうしても「いくらもらえるか」に目が行っていました。

でも今なら、基本給はいくらなのか、手当を除いたらいくらなのか、賞与はあるのか、数年後に昇給できるのか、そしてその給料を得るためにどれくらい時間を使うのかまで確認します。

給料はもちろん大切です。

ただ、給料だけでなく働く時間や将来まで含めて比べることが、自分にとって本当に条件のいい仕事を探すうえでは大事だと思います。

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