「ルート営業なら、既存のお客さんを回るだけだから新規営業より楽そう」
求人を見ていると、そう感じる人もいると思います。
俺自身も23歳で仕事を探していたとき、配達の仕事だと思って応募しました。
ところが、実際に働き始めると、ただ商品を届けるだけではありませんでした。
配達をしながら営業をして、チラシを配り、新しいお客さんを探す。帰社したら片付けと営業・顧客管理の事務処理もある。
俺はこのルート配送営業を23歳から27歳まで4年間続けました。
結論から言うと、ルート営業がきついかどうかは「既存客中心か」だけでは判断できません。
配送があるのか。新規開拓があるのか。売上目標はどうなっているのか。どのくらいの顧客を引き継ぐのか。
同じ「ルート営業」という求人名でも、ここが違えば働き方はかなり変わります。
この記事では、俺が実際に4年間働いてきつかったことと、入社前に求人で確認しておきたい項目を整理します。
ルート営業は「既存客を回る仕事」だけでは判断できない
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、ルート営業を、すでに取引がある顧客を回り、現状を聞きながら販売していく営業と説明しています。
同じお客さんを継続して訪問し、信頼関係を築きながら、困りごとを聞いて提案やフォローをする仕事です。
ただし、「ルート営業」と書いてあるからといって、仕事内容が全部同じとは限りません。
実際、ハローワークが求人を出す企業向けに作成した資料では、営業職の仕事内容欄について、
- 何を販売するのか
- 営業先は法人か個人か
- 担当地域
- 営業車
- 新規開拓かルート営業か
- 納品など営業以外の業務があるか
といった内容を具体的に書くことを勧めています。
つまり、求人名の「ルート営業」だけを見るのではなく、営業以外に何をするのかまで確認する必要があります。
俺が働いた仕事も、営業だけではなく配送が大きな割合を占めていました。
俺が4年やったのは「配送しながら営業する仕事」だった
俺が23歳で入った仕事は、ルート配送営業でした。
応募した時点では、俺は「配達の仕事」という感覚で見ていました。
営業までやる仕事だと十分に理解していませんでした。
実際の一日は、だいたい次の流れです。
- 出社
- 商品の積み込み
- 配達の準備
- 配達しながら営業
- チラシ配布や新規開拓
- 帰社
- 片付け
- 営業内容や顧客情報の事務処理
- 終業
「既存のお客さんを回る営業」と聞くと、訪問して話をする仕事を想像するかもしれません。
でも俺の場合は、配達を予定どおり終わらせながら、営業の結果も求められる仕事でした。
この二つを同時に進めることが、最初はかなり大変でした。
ルート営業で実際にきつかった5つのこと
ここからは、俺自身が働いていて大変だったことを5つに分けます。
すべてのルート営業に当てはまる話ではありません。
あくまで、配送と営業を両方行う仕事を4年間経験した俺の場合です。
1.配達に追われながら営業もしないといけなかった
一番分かりやすくきつかったのは、時間です。
配達には順番があります。
届ける時間もあります。
でも、商品を渡して終わりではありません。
お客さんと話しながら営業をして、必要であれば提案もする。
さらにチラシを配ったり、新しいお客さんを探したりすることもありました。
営業だけなら、お客さんとの会話に時間を使えます。
配達だけなら、できるだけ効率よく回ることを考えられます。
俺の仕事はその両方だったので、常に時間を気にしながら営業する感覚がありました。
求人で配送を伴うルート営業を見るなら、「営業」と「配送」の割合は確認した方がいいです。
2.最初の半年から1年は、道とお客さんを覚えるだけでも大変だった
入社して最初に苦労したのは、営業の話し方だけではありません。
まず道を覚える必要がありました。
道が分からなければ配達が遅れます。
さらに、お客さんごとに配達の仕方が違います。
どこに置くのか。
どのように受け渡すのか。
何を好むのか。
逆に、どんな話題を避けた方がいいのか。
そういった細かいことを少しずつ覚えていきました。
そこに営業目標も加わります。
俺の場合、最初の半年から1年は、
道・顧客・配達・営業を同時に覚えること
が大変でした。
3.ルート営業でも新規開拓があった
俺が入社前に持っていたイメージと違った点の一つです。
「ルート営業なら、すでにいるお客さんだけを回る」
と思っている人もいるかもしれません。
でも俺の仕事では、既存のお客さんへの配達や営業だけでなく、チラシ配布や新規開拓もありました。
これは俺の勤務先での経験で、すべての会社が同じではありません。
だからこそ、求人を見るときは、
「既存客が中心ですか?」だけではなく、「新規開拓はありますか?」まで聞く
必要があります。
4.既存のお客さんでも、信頼関係ができるまでは簡単ではなかった
長く担当していると、お客さんとの関係は少しずつ作りやすくなりました。
どんな人か分かる。
何を求めているか分かる。
話しやすくなる。
そこまで行けば、俺自身は仕事がやりやすくなったと感じました。
でも最初からそうだったわけではありません。
新しく担当したばかりのころは、相手のことが分かりません。
お客さん側から見ても、前の担当者から急に変わった人です。
だから、ルート営業だから最初から関係ができているわけではありません。
会社と顧客の取引関係はすでにあっても、自分個人との信頼関係はこれから作る必要があります。
俺の場合、そこができるまでは結果も出しにくいと感じていました。
5.担当するコースによって、営業のしやすさがかなり違った
これは、働いてから分かったことです。
ルート営業では、前任者から担当先を引き継ぐことがあります。
俺の場合も、担当するコースによって、
- もともとの顧客数
- 売上を伸ばせそうな余地
が違いました。
だから、同じように働いても営業のしやすさは同じではありませんでした。
年収は230万円から260万円ほどで、そこに報奨金がありました。
でも、金額だけを見ても仕事の条件は分かりません。
どのような顧客を引き継ぐのか、そこからどの程度の成果を求められるのか。
この部分も働きやすさに影響すると感じました。
4年続けるうちに楽になった部分もあった
きつかったことだけではありません。
最初は覚えることが多かった仕事も、続けるうちに楽になった部分はありました。
道を覚える。
お客さんの特徴を覚える。
配達方法を覚える。
長く担当して信頼関係ができる。
こうなると、最初のころよりは動きやすくなりました。
俺は人と話すこと自体は嫌いではありませんでした。
だから、お客さんとの関係ができてからの会話まで苦痛だったわけではありません。
むしろ、俺にとって大きかったのは、
人と話すことより、配達と営業を同時に進めながら数字も追うこと
でした。
ここは同じルート営業でも、人によって感じ方がかなり変わると思います。
「ルート営業だから楽」とは言い切れない
検索すると、「ルート営業は新規営業より楽」という説明もあります。
確かに、すでに会社との取引があるお客さんを担当するという点では、一から取引先を探す営業とは違います。
一方で、現在の検索結果では、
- 売上目標
- 長い顧客関係
- 配送や納品
- 新規開拓
- 移動時間
などを「きつい点」として挙げる記事が複数あります。
たとえば、営業職向けの解説記事では、ルート営業でも売上目標や配送・納品、新規開拓が負担になる場合があると説明されています。
また、厚生労働省の職業情報提供サイトでは、清涼飲料のルートセールスとして、車で配達しながら営業を行い、売上を上げる提案や商品の補充、空きびん・空箱や代金の回収まで担当する仕事が紹介されています。
つまり、「ルート営業」という名前だけで楽かきついかを判断するのは難しいです。
見るべきなのは、その会社のルート営業が何を担当する仕事なのかです。
年収だけではなく「どこまで仕事に含まれるか」を見る
俺がルート配送営業をしていたころの年収は、約230万円から260万円に報奨金が加わる形でした。
ただ、この金額を見て、
「ルート営業ならこのくらい稼げる」
とは考えないでください。
業界、会社、地域、仕事内容で給料は変わります。
俺が伝えたいのは、給料の額よりも、
その給料で、何をどこまで担当するのか
を見ることです。
配達。
営業。
新規開拓。
顧客管理。
帰社後の事務処理。
これらを全部担当するのか。
営業だけなのか。
納品もあるのか。
報奨金は何を達成したときに出るのか。
俺は若いころ、給料をかなり重視して仕事を見ていました。
今なら、給料だけではなく、仕事に使う時間や負担まで含めて条件全体を見ます。
当時、結果を出している人を見ていて、俺には私生活に使える時間がかなり少ないように見えました。
これはルート営業全体の話ではなく、あくまで俺が当時の職場で感じていたことです。
求人を見るときに確認したい7つのこと
ルート営業の求人を見るなら、俺なら次の7つを確認します。
1.配送や積み込みはあるか
営業だけなのか。
自分で商品を積み込み、配送や納品まで行うのか。
配送があるなら、一日の中でどのくらいの割合なのかを確認します。
2.新規開拓はあるか
「ルート営業」と書かれていても、新規開拓が含まれる求人があります。
電話なのか。
飛び込みなのか。
チラシ配布なのか。
紹介中心なのか。
「新規あり」だけではなく、方法まで確認します。
3.売上目標はどう決まるか
個人目標なのか。
チーム目標なのか。
売上だけを見るのか。
新規件数も見るのか。
俺の場合は配達と営業を両立しながら目標を追うことが大変だったので、ここは必ず確認します。
4.何件くらいの顧客を引き継ぐか
担当顧客がどのくらいいるのか。
すでに売上があるコースなのか。
新しく広げる必要が大きいのか。
すべてを面接前に詳しく教えてもらえるとは限りませんが、
「入社後はどのように担当顧客を引き継ぎますか」
と聞くだけでも仕事を想像しやすくなります。
5.一日の訪問件数と担当エリア
一日に何件くらい回るのか。
担当エリアはどこまでか。
営業車は何を使うのか。
移動時間が長い仕事なのか。
ハローワークの求人作成資料でも、営業求人では担当地域や営業車について具体的に記載することが勧められています。
6.帰社後にどんな仕事があるか
訪問が終われば仕事も終わるとは限りません。
俺の場合は、帰社後に片付けと営業・顧客管理の事務処理がありました。
見落としやすい部分なので、
「外回りから戻った後は、どんな業務がありますか」
と確認します。
7.給料と報奨金は何で決まるか
月給だけを見るのではなく、
- 固定給
- 手当
- 報奨金
- 目標達成条件
- 残業に関する条件
を分けて見ます。
「頑張れば稼げる」という説明だけではなく、何を達成するといくら変わるのかまで確認できると判断しやすくなります。
こんな人ならルート営業を比較してもいい
俺の経験から考えると、次のような人はルート営業を求人候補に入れてもいいと思います。
- 同じお客さんと長く関係を作ることに抵抗がない
- 車で移動する仕事が苦ではない
- 決まった仕事を回しながら営業も進められる
- お客さんごとの違いを覚えることが苦ではない
- 営業目標があることを理解したうえで働きたい
逆に、
- 配送と営業を同時に進めるのがかなり苦手
- 営業目標がある仕事を避けたい
- 新規開拓を一切したくない
- 顧客ごとの細かな対応を覚えるのが大きな負担になる
という場合は、「ルート営業だから大丈夫」と決めず、求人ごとの仕事内容をかなり細かく見た方がいいです。
ルート営業とルート配送は同じではない
ここは、俺自身が応募時に理解できていなかった部分なので強く伝えたいです。
ルート配送は、決められた取引先などへ荷物を届けることが中心の仕事です。
ルート営業は、既存顧客との関係を維持しながら販売・提案を行う営業です。
ただし実際の求人では、この二つが組み合わさることがあります。
俺が経験したのも、その形でした。
だから、
「運転して商品を届ける仕事がしたい」
と思っているなら、求人名だけを見てルート営業へ応募するのではなく、
営業活動がどこまで含まれるか
を確認してください。
逆に、
「既存客への営業がしたい」
と思っているなら、
配送や積み込みがどこまで含まれるか
を確認します。
工場から営業職への転職そのものについて知りたい場合は、工場から営業職に転職する方法で別に整理しています。
今日やるなら、気になる求人1件で7項目を確認する
ルート営業が向いているか考えている段階なら、いきなり応募しなくても構いません。
まず、気になる求人を1件だけ開いてください。
そして次の7項目をメモします。
- 配送・積み込みはあるか
- 新規開拓はあるか
- 売上目標はどう決まるか
- 担当顧客はどう引き継ぐか
- 一日の訪問件数と担当エリア
- 帰社後の業務
- 給料・報奨金の条件
求人票だけで分からない項目には「不明」と書きます。
その「不明」が、応募前や面接で確認する質問になります。
俺は配達の仕事だと思って入り、働き始めてから営業も行う仕事だと実感しました。
だからこそ、入る前に仕事内容を具体的に確認することは大事だと思っています。
まとめ|ルート営業がきついかは「営業以外に何をするか」まで見る
ルート営業は、既存のお客さんを回る営業です。
でも、それだけで仕事のきつさは判断できません。
俺が4年間経験した仕事では、
- 配送
- 営業
- チラシ配布
- 新規開拓
- 顧客管理
- 帰社後の事務処理
までありました。
最初の半年から1年は、道やお客さんの特徴を覚えながら営業目標も追う必要があり、特に大変でした。
一方で、長く担当して信頼関係ができれば、仕事がしやすくなった部分もあります。
だから「ルート営業は楽」「ルート営業はきつい」のどちらかで決めるのではなく、
その求人では何を担当するのか
を確認してください。
配送はあるのか。
新規開拓はあるのか。
どのくらいの顧客を担当するのか。
売上目標はどう決まるのか。
帰社後に何をするのか。
ここまで分かれば、自分にとってきつい仕事なのか、続けられそうな仕事なのかを判断しやすくなります。
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