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工場から営業職への転職は、可能ではある。
でも、最初に言っておく。
「営業に行けば人生が好転する」と思って応募するのは、やめとけ。
俺は32歳。23歳で工場からルート配送営業(正社員)に転職して、そこに4年間いた。工場出身者が営業職に転職するのがどんな現実か、身をもって知っている。
まず正直に言う。俺はこのとき、「配達の仕事だと思って」入社した。主な仕事は配達だと勝手に思い込んでいた。ところが、実際には営業業務もあった。配達に追われながら顧客の話を聞き、それでも営業しないといけない。常に時間に追われていた。
この記事に書くのは、その4年間の実体験だ。年収の現実も、続けた理由も、辞めた理由も、全部隠さず書く。最後まで読めば、「営業職が自分に向いているか」を、想像ではなく判断材料で考えられるようになる。
23歳の俺は「配達の仕事だと思って」営業職に入った
俺がルート配送営業を選んだ理由は、かっこいいものじゃない。
それまで働いてきた職場は男性ばかりだった。工場も、派遣先もそうだった。そんな中で、「女性が多い職場なら、環境が何か変わるかもしれない」と思った。それで23歳のとき、ルート配送営業の求人に応募して入社した。
今振り返ると、仕事内容をちゃんと確認して入ったとは言えない。最初に言った通り、俺は主に「配達の仕事」だと思っていた。実際には営業業務も含まれていた。
入社前と実際の仕事のギャップは、想像以上に大きかった。
入ってから分かった「配達と営業を同時にやる」という仕事
ルート配送営業の仕事は、一言で言うと「時間との闘い」だった。
- 配達に追われながら、顧客の話を聞く
- 話を聞きながら、営業もしなければならない
- 常に時間に追われている
1日に回れる顧客の数には、どうしても限界がある。それを毎日繰り返すのは、予想していたよりずっとしんどかった。
実際の1日の流れは、こういう感じだった。
出社 → 積み込み → 配達準備 → 配達しながら可能な限り営業 → チラシ配布・新規開拓など → 帰社 → 片付け → 事務処理 → 営業・顧客管理などの事務処理 → 終業
配達して帰ってきたら、それで終わりではない。帰社後に片付けと事務処理が待っている。営業や顧客の管理も、自分の仕事として処理しないといけなかった。
正直なところ、長く同一の顧客を担当していれば、信頼関係ができて仕事はやりやすくなる。それは実感としてあった。ただし、そこまで関係を築く間は、結果が出にくい。そして、実際に大きく結果を出していた人を見ていると、プライベートの時間がかなり少ないように見えた。
実際に働く中で、営業だから頑張ればそのまま収入が上がる、という単純な話ではないと感じた。
最初の半年〜1年で苦労したこと
営業職として、最初の半年から1年で特に苦労したのは、次の3つだ。
道を覚えること
担当するコースの道路を覚えるまでは、配達だけで精一杯だった。カーナビや地図を頼りにしていても、道順を体で覚えるまでは時間がかかる。その間、当然配達も遅くなる。
顧客一人ひとりの「特徴」を覚えること
俺が想定していた「顧客を覚える」は、顔と住所を覚えることだった。実際には、もっと細かい。
- 顧客ごとの配達方法
- 食べ物の好み
- 言ってはいけないことなど、人ごとの注意点
これらを、顧客ごとに覚える必要があった。
ノルマ
配達をこなしながら、営業としてのノルマも課されていた。時間の制約と合わせて、最初の1年は本当にしんどかった。
年収230〜260万円+報奨金。担当コースが収入を左右した
この記事を読んでいる人は、営業職の年収が気になっているだろう。俺の実体験をそのまま書く。
俺のルート配送営業時代の年収は、約230〜260万円だった。
これに加えて、成果に応じた報奨金のような制度はあった。ただし、ここでひとつ大事な話がある。
こんな引き継ぎをされるコースかどうかで、稼ぎやすさは全然違った。
俺の場合、引き継いだ時点で担当顧客が少ないコースだった。そもそも売上を作りにくく、だから報奨金も稼ぎにくかった。同じ営業職でも、担当コースの規模や既存顧客数によって、報奨金を含めた収入の得やすさに差があった。
つまり、求人票の給与額だけでは、実際の稼ぎやすさは判断できない。これは俺が経験したからこそ言える話だ。
あと1点だけ正直に書いておく。今の俺なら、本業だけで収入が足りない場合は、副業も選択肢の一つとして考える。これを「給料が低いことが多い」「副業必須」と決めつけるつもりはない。個人的な考えとして、収入が見合わなければ働き方を工夫する、という程度のことだ。
それでも4年続けた。正直なところ「転職が怖かった」
「4年も続けたってことは、営業が合っていたんじゃないか?」
そう思う人もいるかもしれない。けど、正直に言う。
俺が4年間続けた理由は、転職すること自体が怖かったからだ。
営業職に満足していたわけではない。配達と営業の両立の忙しさも、担当コースの収入条件も、しんどいと思っていた。それでも次の一歩を踏み出すのが怖くて、「今のままでいいや」とやり過ごしていた。
辞める決断をしたのは、「このままいても、結局何も変わらない」と思えたときだった。それが27歳。ルート配送営業を離れ、次の勤め先へ移った。
ここを読んでいる人への伝言にしたいのは、むしろこっちだ。
「合わない仕事を続けているのが怖くて足が止まる」というのは、転職7回の俺でも、実際にあったことだ。営業が向いているかどうかを判断するとき、この「惰性で続けた」事実も参考にしてほしい。
工場経験は営業で「役立った」とは言わない
この記事の元になった質問で、こう聞かれた。
「工場勤務の経験が、営業で役立ったことは?」
俺の答えは、はっきりしている。
本人の認識では、特にない。
正確さだの、納期管理だの、品質管理の意識が営業に生きる……というのは、世の中にありがちな自己PRの型だ。俺の実感から言うと、無理に「工場経験が営業に役立った」というストーリーを作るのは、やめたほうがいい。面接で深掘りされたときに、実体験がないと嘘になるからだ。
応募書類や面接で正直に使えるのは、工場経験の言い換えではなく、「配達と営業と事務処理を、4年間両立させた」という事実だ。これは嘘がない。俺はルート配送営業で、それを実際にやり遂げた。
もし読者の中に「工場の経験が営業でどう活きるか、PRしなきゃ」と悩んでいる人がいたら、無理にこじつけなくていい。正直に、やってきたことを書けば十分だ。
営業職が向いている人・やめた方がいい人
4年間やってきて、俺なりの判断軸はある。ただし注意してほしい。これは俺個人の見解であって、「友達が多ければ営業に向く」とか「天職だ」といった普遍的な話ではない。
俺が感じるのは、人との関わりが好きで、人と話すことが苦にならない人は、営業職に合いやすいということだ。逆に、そうでない人には、どうしても時間的な負担が重くのしかかる。
具体的に、判断材料にしてもらいたいのは次の点だ。
| 考えた方がいい問い | 理由 |
|---|---|
| 人と話すことが苦にならないか | 配達をしながらでも顧客との会話が必要になる |
| 常に時間に追われる状況を許容できるか | 配達と営業を同時に進める必要があった |
| 報奨金によって収入が変わる仕組みをどう感じるか | 本人の職場では担当コースによって報奨金を得やすい条件に差があった |
| 成果が出るまで時間がかかっても続けられるか | 顧客との関係ができるまでは結果が出にくいと本人は感じていた |
ここで大事なのは、「営業に向いていない人」に対しても、無理に転職を勧めないことだ。営業の中でも、新規開拓ではなく内勤営業や、そもそも営業ではない職種のほうが合っている人もいる。あなたが上記の問いで苦しさを想像しないなら、営業職への転職は一度冷静に見直したほうがいい。
「これで稼げる」という希望だけで飛び込むと、ギャップが一番きつい仕事のひとつが営業だと思う。
応募書類・面接で、自分の仕事をどう伝えるか
工場から営業へ応募するとき、無理に「営業向き」に見せなくていい。
ここは、俺自身の失敗も含めて伝えておきたい。
俺は23歳のとき、最初から「営業職で活躍したい」と考えて入社したわけではない。男性が多い職場で働いてきて、「女性が多い職場なら何か環境が変わるかもしれない」と思ったのがきっかけだった。しかも、主な仕事は配達だと思っていた。入ってみたら営業や新規開拓まであった。
だから、俺の当時の志望動機をそのまま真似してほしいとは思わない。むしろ今なら、応募する前に、「なぜ営業に行きたいのか」「人と関わる仕事をしたいのか」「今の働き方の何を変えたいのか」を、一度自分の言葉にしておくといい。
工場経験を無理やり「営業に活かせます」と変換する必要もないと思っている。自分が工場で実際に何を担当してきたのか。どんな働き方をしてきたのか。何を続けてきたのか。面接で深掘りされても、自分の言葉で説明できる事実を土台にした方がいい。
俺自身、「工場経験が営業で直接役立ったことは?」と聞かれれば、特に思いつかない。それでも実際に営業職へ移り、4年間働いた。「営業経験がないから無理」と決めつける必要はない。ただし、経験をよく見せるために、実際には感じていない強みまで作る必要もない。
求人を見る際に今なら確認すること(チェックリスト)
昔の俺は、これを知らないまま入社した。今のあなたは、入社前にこのリストを全部埋めてから判断してほしい。
- [ ] 担当するコースの規模はどのくらいか
- [ ] 既存顧客の数はどれだけあるか
- [ ] 売上を作れる余地があるか(引き継ぐ顧客がどれだけいるか)
- [ ] 報奨金や歩合の条件はどうなっているか
- [ ] 配送だけなのか、営業・新規開拓も含まれるのか
- [ ] 固定給はいくらで、どれくらいが成績連動なのか
特に「求人票の給与額」だけでは、実際の稼ぎやすさまで判断できない。これは、担当コースで条件差を経験した俺が、自信を持って言える。
今日から何をすればいいか
もしあなたが「営業職が自分に合うか、まだ迷っている」なら、次の3つを今日からやってみてほしい。
- 上記のチェックリストを、今応募しようとしている求人に当てはめてみる
→ 答えられない求人は、入ってからギャップが大きい可能性が高い - 職務経歴書・自己PRを、やったことの事実だけで書いてみる
→ こじつけた自己PRより、自分が実際にやってきたことの方が、面接で深掘りされても説明しやすい - 「この仕事のギャップに耐えられるか」を、自分に問いかけてみる
→ 時間に追われても、人と話すことが苦にならないなら、向いている可能性がある
俺の4年間は、ロマンも華もない話だったかもしれない。でも、これが、俺が23歳で工場からルート配送営業へ移ったときに経験した現実だ。あなたに伝えたいのは、「営業へ行けば人生が好転する」ではなく、自分に合うかどうかを、想像ではなく情報で判断してほしいということだ。
どうしても自分では判断できないときの選択肢
ここまで読んで、あなたは「営業職が自分に合うか」を、自分の言葉で考えられたはずだ。
それでも、もし次のどちらかに当てはまるなら──
- 自分の経歴で応募できる営業の求人が、あまりにも分からない
- 「配送中心か、営業中心か」を、求人票だけで判断しづらい
──という場合は、転職エージェントに求人条件を確認してもらう方法もある。
求人票だけでは分からない条件があれば、キャリアアドバイザーに相談し、企業側へ確認できるか聞いてみる方法もある。
ただし、念のため言っておく。
行きたい会社や職種が決まっていて、自分で求人を探して応募できる人は、無理に利用する必要はない。あくまで「一人では判断しづらい」人のための選択肢だ。一人では判断しづらい場合は、選択肢の一つとして利用してもいいと思う。
(相談・登録は無料。求人の条件を確認する手段として使える)
※本記事は広告を含みます。転職エージェントを実際に利用した体験談ではなく、営業職への転職を検討する読者が求人条件を確認する手段としてご案内しています。

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